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自然素材でDIY:手漉き紙を壁に貼る
壁、天井等への手漉き紙張りをご検討中の方へ
アドバイス〜道具(刷毛類)の貸し出しも致します。

小さなサイズのものを張り合わせていくので、DIYに興味のある方ならば比較的簡単に晴れます。
是非、ご自身で張ってみてください。
★プリント用データはこちらこちら

必要な道具

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1.糊(でんぷんのり) →糊についてはこちらを参照ください
2.刷毛(のり刷毛,水刷毛,なで刷毛)
3.霧吹き
4.糊を入れる容器
5.はさみ、カッター
6.スケール、定規
7.ビニールシート
8.ふきん

貼る前に

1. 貼る壁面の寸法を測り、貼り方のデザインを考え、必要な紙の枚数を確認
紙を貼る壁面の縦横寸法、扉や窓の位置をスケールで測り、必要な紙の枚数を把握します。紙のサイズは 約50×75㎝です。
簡単な図面を描いて、紙の無駄が出ないよう、よく考えてください。(枚数は予備を含んだ方がよいです。)

★紙の形はゆがんでおり、周囲の4辺は直線ではありません。自然な繊維の流れが出たもので、「耳」と呼ばれます。
「耳」をカッターで切り落とし、形をそろえてから貼る方法もありますが、手漉きの表情を活かすには耳付きのまま使うのがおすすめです。
★目地をピッタリと合わせようとしないで、アバウトなぐらいの方が趣があります。  
2. 紙の色目等に差がある場合は、貼る前に仮並べを行い、全体のバランスを確認
手漉き紙は1枚1枚の表情が異なり、サイズや色形がそろっていません。
表情や色の差異についてはあまり神経質にならずに、この特性を生かした空間作りにお役立てください。
 
3. 貼る面の素材を確認し、必要に応じて下地処理を施す(前日までに)
既存の壁がビニールクロスの場合は、はがしてから貼るのが丁寧な施工です。
ビニールクロスをはがして、裏打ちの紙がきれいに残ったら、その上に貼ります。
裏打ちの紙が部分的にはがれたり、凸凹ができてしまったら、パテ埋めか下貼りをしてください。
既存の仕上げ(塗装やクロス)の上に直接貼る場合は、汚れをきれいにふきとってください。
モルタルや合板下地の場合は、アクが出る可能性があるので、シーラー材を塗るか下貼りをして下さい。
石膏ボードの場合、ボードの継ぎ目に、パテ埋めか細く切った紙を貼って平滑にして下さい。
ビス穴がある場合は、パテで埋めて下さい。(塗ったパテの凸凹は紙ヤスリである程度平滑にします)
4. コンセントやスイッチのプレート類を取り外す
はずしたプレートにも、同じように紙張りをすると統一感が出ます。(上写真参照)
プレート類がはずせない場合は、プレートを避けて紙を貼ってください。
★電気部分はいじらず、プレートのみはずしてください。
使用していないプレート類は、上から貼っても大丈夫ですが、将来的に電気工事をする際に、紙をはがす必要が出てくる可能性があります。

参考写真

施工例1: 紙の耳を残して貼っている

施工例2: 紙を切りそろえて貼っている

コンセント周り例

貼り方

1.紙をカット
事前に考えておいた割り付けを元に、紙をカットします。
カットの際は、カッター等を使わずに 水切り(くいさき)するのがおすすめです。
★水切り(くいさき)とは、和紙を水で濡らしてふやかしてから引き裂く切断の仕方です。
自然に繊維がほぐれたようなやわらかな切り口となるため、手漉き紙の風合いになじみます。
カッターやナイフで綺麗に切りそろえることは立切(たちきり・たちぎり)と言います。
2. 糊を用意
でんぷん粉又は小麦粉を水で煮て、糊をつくります。 (既製品を使う場合は不要)
→糊の作り方についてはこちらを
糊を茶碗一杯程度容器に出し、塗りやすい固さにのばします。
強度を出したい場合は木工ボンドを少しだけまぜてください。
*糊は冷えると白くゼリー状にかたまることがあります。使う分だけ容器にだしたら、
刷毛の先でつぶすように練り直すと、だんだんとやわらかくなり、透明感も出て来ます。
3. 紙を湿らす
霧吹きかハケを使い、紙を全体的に湿らせておきます。
4.紙に糊を塗る
紙の四周にのみ糊を塗ります。「袋貼り」という方法です。
糊を塗った後は、5分程度放置してなじませます。
★「袋貼り」とは、紙の周囲約1〜2cmに糊をつけて壁に貼ることです。
全面的に糊を塗ってもかまわないのですが、袋貼りの方が、糊のついていない部分が壁から浮いた状態になるため、和紙本来のふんわりとした柔らかな 仕上りになります。
5. 壁に貼る
下から横に、隣の紙に重ねて貼っていきます。(重ねシロは1〜1.5センチ程度)
★重ね方は、光が入ってくる側を上側にすると影がきれいに出ます。
例:右側に窓がある場合、左下から貼り始め、右側に紙を重ねていきます。
6.空気を抜く
最後に、貼った紙の上をなで刷毛でやさしくならし、空気を抜きます。

材料について

▼糊について
手漉き紙を貼る糊は「生麩糊(しょうふのり)」がおすすめです。
字の通り麩の原料となる小麦粉のグルテンからできたもので、小麦粉糊とも呼ばれます。小麦粉またはでんぷん粉を水と混ぜて火にかけ、手づくりすることが可能です。
(でんぷん粉:小麦粉を精製したものです。) 
《 小麦粉糊のつくりかた 》 ※でんぷん粉でも同じです
  • 1.鍋に水:150 mlと、小麦粉50gを入れ、木じゃくしで静かに混ぜます。
  • 2.粉が水になじんだら火をつけ、弱火で静かにかきまぜつづけます。
  • 3.最初は乳白色ですが、だんだん透明感が出てきます
  • 4.沸騰したら、こげつかないように底から良くかきまぜてください。
  • 5.しっかりダマがなくなるまでまぜ、トロトロになったら火を止めてください。
  • 6.火を止めてからもしばらくかきまぜ、人肌になるまでさめたら完成です。適当な容器に移してください。
*少しだけ手間と時間がかかりますが、是非一度トライしてみてください。
手作りした糊には防腐剤が入らないため、冷蔵庫に保管し、早めに使いきってください。
たとぱにではーーー
最近は手軽な市販のものを使うことも多いです。たとぱに1階の壁は、ホームセンター等で売っている障子糊を使用しました。
ただ若干、接着力が弱いように感じました。
壁紙用の糊を使ったこともあるのですが、手漉き紙には会わないような気がして・・・

その後、探していて出会ったのが、大阪にあるタニゴ商店さんの、でんぷん糊「炊き糊一番」。化学薬品等使用せず、昔ながらの作り方で大きな釜を使って、炊きあげているそうです。詳しくはこちらをご覧下さい

でんぷん糊「炊き糊一番」 1kg レターパック送り:980円
施工目安:7〜10㎡/1kg(大量に使う場合は、5K,10K,20K入り有り
▼シーラー材について
シーラー材については、市販でいろいろなものがありますが私自身、まだいろいろとためすことができていません。
仕上げの自然素材にあわせて、下地処理に使うシーラー材も強い薬剤等が使われていない水溶性のものにしてください。
インターネットで入手可能なもので、以下のようなものがあります。

商品名:下塗革命
ボード用のパテとしても、不陸調整をする下塗り材としても使えます。
取り扱い:アトピッコハウス(自然素材の内装専門メーカー)

商品名:久米蔵
取り扱い:エコペイント株式会社(秋川の自然塗料専門店)